更年期症状は、日本の50代女性の約半数が直面する深刻な健康問題*¹です。その影響は、個人の生活の質だけでなく、仕事のパフォーマンス低下や不調による欠勤さらには離職を引き起こす原因ともなり、経済損失は1.9兆円にのぼると推計されています*²。しかし、現状では多くの企業が更年期症状に対する具体的な対策を十分に講じておらず、対応が遅れているのが実態です。本プロジェクトは、更年期症状の中でも特に多くの女性が悩む寝つきの悪さや中途早期覚醒などの睡眠課題*³に焦点を当て、科学的なアプローチをもとに、企業と従業員双方にとっての解決策を提案します。
*¹ 厚生労働省.「更年期症状・障害に関する意識調査基本集計結果」.2022年7月
*² 経済産業省.「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」.2024年2月
*³ Femail Founders Fund.” Suffering in Silence: The Biases and Data Gaps of Menopause”.2020-10-26
本プロジェクトでは、豊橋市内の「とよはし健康宣言事業所」に勤務する25名の50歳前後の女性をリクルートし、専門家によるセミナーを通じて更年期症状と睡眠に関する基礎知識を習得します。その後、PGVが開発した自宅で利用できるパッチ式脳波計を用いた睡眠計測や、同様に自宅で利用できるデバイスで体温管理しながら、睡眠の改善に向けた行動を実施します。そして、参加者の睡眠状態、体温の変化、就業意欲、そして更年期症状の指標を評価します。これにより、対象年代の女性が抱える睡眠課題やその改善が働き方に及ぼす効果を検証し、企業や自治体でも導入可能なモデルケースを作成します。
本プロジェクトは、参加者が自らの健康課題を認識し適切な改善行動を取ることを支援するだけでなく、企業における更年期症状への対策の必要性を明らかにすることもまた目指しています。具体的には、女性従業員が抱える課題を解消することでウェルビーイングが向上し、就業意欲の改善や生産性の向上、さらには職場全体の離職率の低下が期待されます。科学的エビデンスに基づいたアプローチにより、企業が更年期症状に対する具体的な施策を講じるための手助けとなり、女性のキャリア形成や職場での活躍を支援する持続可能な環境づくりに貢献します。
代表団体 | PGV株式会社 |
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URL | https://www.pgv.co.jp |
協力団体 | 豊橋市 |
※実施体制は2024年8月21日時点で確定している団体を記載
サービス提供者
PGV株式会社
実証を通じて提供している
サービス名
実証中のため未定
令和7年1月時点のサービス状況
実証中
サービス概要
更年期症状を抱える50代前後の従業員に向けたサービス。
現在、更年期離職などの経済損失が問題になっている。また、50代前後の女性従業員には管理職登用などの期待が高まっている。しかし、企業は健康に資する支援が行えていない。このような状況に対して女性の睡眠に関する専門家によるセミナー、脳波計による睡眠計測、体温管理デバイスを組み合わせたソリューションを提供する。また、従業員本人の状態改善を実現し、プレゼンティーイズム・就業意欲の改善による健康経営支援を行う。
サービス導入先・利用者
〇法人等組織向けサービス
〇女性向けのサービスのみ
対象としている法人の性質や
サービスの対象者の目安
自治体、企業
サービスのURL
サービスの問い合わせ窓口となる
メールアドレス
事業のご担当者から
ひとこと
PGV株式会社/松原 秀樹さん
更年期症状による経済損失は、社会全体で大きな影響を及ぼす1.9兆円にも上ると試算されています。特に、睡眠課題は女性の生活の質や仕事のパフォーマンス、そして企業の生産性にも影響するものです。この問題に対してPGVは、高精度でありながら自宅でも簡単に利用できる42gのコンパクトなパッチ式脳波計と、精緻な睡眠ステージ解析を可能にするAIで取り組みます。これにより、自宅で手軽により正確なセルフケアが可能となります。PGVは、科学的根拠に基づくソリューションを通じて、女性のウェルビーイング向上だけでなく、企業にとっても有益な新しいモデルケースの創出を目指します。