職場における女性の健康課題として月経に関する問題を抱える女性は9割以上でありプレゼンティーズム*¹に大きな影響を与えています。健康経営向上には、月経への適切なサポートが欠かせません。しかしながら、デリケートな性質により企業での支援は必要とされながらも実際の取り組みは限られているのが現実です。
また、企業で取り組みを行う際には女性だけの支援ではなく、同僚や管理職の相互理解を得ることも重要であり、両者が女性特有の健康課題への共通認識を持つことが必要とされています。
*¹日本医療政策機構,2018
プレゼンティーズム:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態。
本実証では大きく2つの取り組みを実施します。
まず、実証研究として「吸水ショーツ」という日本ではまだ馴染の薄いフェムケア製品を用いた効果検証を行い、働く女性に対して新たな月経のケア方法を知るきっかけを提供します。さらに吸水ショーツや月経ごとの調査に参加することで、自らの月経に関心を向ける機会を創出します。
そして、企業向けのオンラインセミナーを開催。実証研究の効果検証の結果という客観的データを示すことで実証に関する個人のデータに触れることなく、男性、女性双方の月経に対する関心をより高め、月経に関するリテラシーを高める契機づくりをします。
女性自身が月経に関してこれまでとは異なるケア方法があることを知り、効果を実感することで、月経に対する負担感や考え方が変容し、仕事のパフォーマンス向上に寄与できると考えています。また、吸水ショーツによる効果検証の結果を客観的に示すことで、女性自身、管理者、従業員というそれぞれの立場から月経に関する意識が向上し、働きやすい職場づくりを目指すベースを築くことができると思っています。
代表団体 | 株式会社Period. |
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URL | https://period-tokyo.com/ |
参加団体 | 国立大学法人浜松医科大学 |
協力団体 | Co-startup、Space&CommunityFUSE、静岡SSUボニータ、浜松いわた信用金庫、茨城県 |
※実施体制は2023年8月10日時点で確定している団体を記載
事業のご担当者から
ひとこと
株式会社Period./寺尾 彩加さん
昨今のフェムテックの急速な浸透に伴い、多くの商品やサービス情報が発信されることでSRHR(性と⽣殖に関する健康と権利)も加速していることを感じています。しかし、就業人口の半数近くが女性になった今でも女性特有の健康に対する社会的なアプローチが乏しいという現実もあります。その原因として、男女問わず女性特有の健康課題についての知識を持っていないことが挙げられます。性別に関係なく、フラットに共通の知識を持つことがこの課題を解消する術だと考えています。女性活躍推進をする企業が、女性がより働きやすい環境整備をする際にベースとなる成果を生み出す実証事業になるように努めさせていただきます。