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株式会社iCaret

個別化・最適化された不妊治療を提案するAI(人工知能)サービスの開発と実証個別化・最適化された不妊治療を提案するAI(人工知能)サービスの開発と実証

取り組むべき課題

日本における体外受精の治療件数は年間約45万件で、新生児の14人に1人、年間約6万人が体外受精により誕生しています*¹。一方で不妊治療に伴う女性の離職率は16.7%とも言われ*²NPO法人Fineの試算によれば不妊治療に伴う離職による年間の社会的経済損失額は1345億3363万円とも指摘されています*³。不妊治療は、治療の全体像が見えにくく、また指定された日に受診する必要性が頻繁に生じることなどが、患者にとって大きなストレスとなっているのが現状です。加えて、不妊治療は時として長期におよぶため、患者にとって仕事との両立が困難だと感じる要因となっています。

*¹不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック(厚生労働省,2020)
*²日本人女性における、不妊治療開始後の離職のリスクファクター(J-FEMAスタディ,2020)
*³不妊治療の保険適用に際しての要望事項NPO法人(Fine,2021)

実証事業の内容

本事業では、不妊治療の専門クリニックにおける治療データを匿名化・暗号化し、そのデータに各種の機械学習手法を応用することで、各患者に対する個別化・最適化された治療法を判断するAI(人工知能)を開発します。また、ここで開発されたAIが、実際に臨床上有用な提案ができるか否かも検証していきます。本事業を通して、AIにより不妊治療の全体像と治療効果がより明確に見通せるようになることで、働きながら不妊治療をしている女性のストレス軽減や仕事との両立の一助となることが目標です。

この事業で貢献できること

株式会社iCaretが開発しているAIは、患者の情報(年齢・ホルモン値・治療歴、診察所見など)から、最適と考えられる治療法を判断し、提示します。こうした情報により特に若手の医師は治療に関する知見を深める事ができ、また患者はより明確な情報提供を受けることが可能となります。将来的には、AIの補助により、より効率よく最適な治療法を判断することが可能となり、待ち時間の短縮、治療の全体像の明確化、治療の個別化・最適化によるトータルの治療期間の短縮などが期待されます。

事業体制の紹介

代表団体 株式会社iCaret
URL https://www.i-caret.com/
協力団体 木場公園クリニック、株式会社システムロード

※実施体制は2022年9月14日時点で確定している団体を記載

事業のご担当者から
ひとこと

株式会社iCaret/川原 泰さん

現在の日本において、不妊治療は多くのカップルが必要とする重要なテーマですが、医師にとっては知識的・技術的ハードルが高く、十分な医療を提供できない地域も少なくありません。また、都市部においても、高度な判断ができる医師は限られ、患者の集中により長い待ち時間が生じる場合があります。こうした医療提供の偏在をなくしたい、また複雑高度な不妊治療を少しでも見通しの良いものにし、患者のストレスを軽減したい、そして一人一人に最適な医療を提供するための一助となりたいと考え、私達はこの人工知能の開発に取り組んでいます。不妊治療AIに興味を持って下さる医療機関・企業の方、ビッグデータ処理とAI構築に関心をお持ちの方など、ぜひお声かけ頂けましたら幸いです。

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